研究課題/領域番号 |
24591581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
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研究分担者 |
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305369)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 脳炎 / 脳症 / タイトジャンクション / HUVEC |
研究概要 |
本年度は臍帯からヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)の単離培養し、タイトジャンクション構成蛋白の免疫染色を行い、さらに炎症性サイトカインのHUVECのタイトジャンクションへの影響を継時的に測定した。 (1)ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)の単離培養。本研究について説明し同意を得られた妊婦より出産時に臍帯の提供を受け、唐崎らの方法(産業医科大学雑誌 18:281-285, 1996年)を参考にし、臍帯から臍帯静脈血管内皮細胞を単離培養した。単離培養後の細胞は使用まで液体窒素にて保存した。 (2)単層培養HUVECにおけるタイトジャンクション構成蛋白の発現検討。単層形成後のHUVECを免疫組織化学的に蛍光顕微鏡下で観察した。培養細胞が内皮細胞に特異的に発現するCD31が陽性であり、さらにタイトジャンクション構成蛋白であるclaudin5、occluding、 ZO-1、 JAM-Aなどが存在することを確かめた。同時にウエスタンブロットでもこれらの蛋白の発現を確認した。 (3)細胞透過性の検討。HUVECをトランスウェルを用いて培養し、cellZscopeを用い経上皮内皮電気抵抗値(TER)を経時的に測定した。タイトジャンクションの形成を確認した後、培養液中に炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-6)を添加しTERを経時的に測定し、細胞バリア機能(細胞透過性)の変化を検討した。炎症性サイトカインの濃度依存的にTERが減少し細胞透過性の亢進が確認された。タイトジャンクションの変化を電気的に評価する一方、機能的にも評価するために蛍光マイクロプレートリーダーを購入した。Rempeらの方法(BBRC 406: 64-69, 2011)を参考に、FITC結合ウシアルブミン(FITC-BSA)の細胞透過を機能的に評価するために準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HUVECの培養、経上皮内皮電気抵抗値の測定が安定して行えるようになり、実験系が確立しつつあり、また概ね研究計画通りに進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書に基づき進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度研究費の250万円のうち約25万円を本年度の繰り越しとなった。その理由として、蛍光色素標識タンパクによるタイトジャンクションの機能的評価の準備がやや遅れたことがあげられる。本年度はタイトジャンクションの機能的評価のための試薬を年度早々に購入し、本年度の計画通りに研究計画書に基づき進める。
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