セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、抗不安薬として広く用いられている。SSRIであるシタロプラムの扁桃体基底核への局所投与は、不安の動物モデルであるラットの恐怖条件付けを抑制した。そして、5-HT1A受容体阻害薬の同時局所投与は、その効果に拮抗した。一方、扁桃体スライスのパッチ・クランプで単一細胞PCRを行った。グルタミン酸作動性ニューロンの6.5%が5-HT1A受容体mRNA陽性で、5-HT1A受容体を有するニューロンは有意に静止膜電位が低かった。以上より、SSRIは扁桃体基底核で5-HT1A受容体を介してグルタミン酸作動性ニューロンを抑制し、抗不安作用をもたらすことが示唆された。
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