研究課題
最終年度である平成26年度は、「MRIと末梢バイオマーカーによるアルツハイマー病発症前簡易スクリーニング法の探索」の研究課題の最終年度として、平成24年度、25年度に得た、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)の患者体液(血液、尿)でAD/MCIで特異的に変化する液性因子を解析した結果として、血漿中の過酸化脂質代謝産物であるアクロレイン(以下PC-Acro)が上昇しており、一方でPC-Acroの最終代謝産物である尿中3-hydroxypropyl mercapturic acid (3-HPMA)がMCI/ADにおいて低下していることを報告した。診断精度としては、既存のADバイオマーカーである脳脊髄液(以下CSF)中amyloid β42、タウやリン酸化タウには及ばないものの、今後さらに測定方法等を改良して検討しうるバイオマーカー候補と結論した。さらに、北海道大学の鈴木利治教授らが既に見出している、AD脳では脳内の異常なγセクレターゼによりアミロイド前駆体蛋白と同様に切断基質であるアルカデイン切断産物である p3-alcα35がAD/MCI患者の血漿中で高値であることを報告し、アルカデイン切断産物がAD/MCIの血液バイオマーカーとして有力であることを示した。MRIについては、松田博史博士により本邦で開発されたVoxel-based morphometric MRI(VBM-MRI)の1つであるVoxel-based Spesific Regional analysis system for Alzheimer's Disease, VSRADによる海馬を含む側頭葉内側部萎縮の評価と大脳後部帯状回におけるMRスペクトロスコピー(MRS)を用いた生化学的評価で、MRIによりADの非侵襲的早期スクリーニングと予後予測が日常診療レベルで可能である可能性を示したMRIによりADの非侵襲的早期スクリーニングと予後予測が日常診療レベルで可能である可能性を報告した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件)
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