小脳症状を主体とする多系統萎縮症(MSA-C)を、病初期から経時的にMRIおよび脳血流SPECTを用いて追跡し、左右差に着目することでMSA-Cの早期診断における有用性を検討した。その結果、MRIおよび脳血流SPECTでは、75%で左右差を認めたが、経時的検討ではMRIに比べ脳血流SPECTで早期に左右差が観察され、経過と共に左右差が不明瞭化する傾向を認めた。以上から、MSA-Cでは小脳萎縮、血流の左右差は稀ではなく、脳血流の左右差が先行し、時間経過と共にMRIでの左右差が明瞭化するものと考えられ、脳血流SPECTによる小脳半球血流の左右差が疾患の早期診断に役立つものと考えられた。
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