FDGは悪性腫瘍以外にも、炎症巣に集積するが、心臓領域では生理的集積により臨床応用されていない。そこで被験者に24時間以上の炭水化物制限を行ったところ、心筋への生理的集積を完全に抑制できた。この前処置を用い、急性心筋梗塞、不安定狭心症および安定労作性狭心症に対し、FDG-PET検査を施行した。結果、急性冠症候群例においては、責任冠動脈に一致した領域にFDGの高集積が得られ、冠動脈の炎症を捉えているものと考えられた。これに対し、安定労作性狭心症例の冠動脈にはFDGの高集積はみられなかった。食事制限を前処置としたFDG-PET検査により不安定プラークの炎症を捉えることが可能と考えられた。
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