研究分担者 |
原 久男 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 第二循環器内科医長 (00349911)
瀧 淳一 金沢大学, 附属病院, 講師 (10251927)
諸井 雅男 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 循環器内科医員 (30256721)
窪田 和雄 一般財団法人脳神経疾患研究所, PETセンター, 科長 (40161674)
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研究実績の概要 |
我々は、臨床的パイロットスタディで再灌流後急性心筋梗塞の修復過程や炎症をPET(11C-メチオニンPETや18F-FDG PET)でモニタリングできる可能性を明らかにした(Morooka M, et al. JNM2009)。本研究は、1)基礎実験でその集積の確認を行い、2)臨床では症例検討を重ね集積の意義や予後との関係をモニタリングし、治療戦略に役立てることを目的として開始された。 *本研究期間での結果、意義、重要性 1)基礎研究では心筋梗塞モデルラットを使用しメチオニンの集積確認や意義を調べた→メチオニンは心筋梗塞後の炎症に広く集積し障害心筋や炎症の描出に役立つと考えられた(Taki J, et al. JNM2013)。 2)臨床研究では11C-メチオニンPETとヘパリン負荷18F-FDG PETに加え、従来広く使用されている201Tlと123I-BMIPPも心筋梗塞後の患者に撮像し、その集積のパターンや程度を調べることとした。本研究開始後、炎症描出FDG PETの前処置法(心臓の生理的集積を抑制するために行う)が"ヘパリン負荷"v.s."長時間絶食法"とで世界的にも議論されることとなった→ヘパリン負荷法のまま研究を続行すべきか見直しが必要となったため、我々は両手法の比較検討を行い長時間絶食がより適していることを実証した(Morooka M, et al.EJNMMI Res 2014)。 本研究期間内では、メチオニンPETの意義や予後との関係性までは到達できず手法の確立に時間を要した。FDG PETの炎症描出は、たとえ長時間絶食下でも困難な場合もあり、糖尿病や心不全の状態下では描出力が低下することも確認している(Morooka M, et al. SNMMI 2015)。このような条件下ではメチオニンPET有用性の可能性につながると考えられ、今後は症例を蓄積したいと考える。
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