本研究では、低酸素腫瘍細胞が酸素化された直後の状態における放射線治療効果を規定する機序の分子病理学的解明を目的とした研究を行っている。今回の検討により、低酸素+酸素化群は、低酸素状態継続群と比較して有意に、腫瘍増殖が遅延していることが明らかとなった。さらに、マウスモデルにおいては、照射単独群と比較して照射+高圧酸素併用群における78遺伝子の発現が低下していることがわかった。そして、その内の20遺伝子においては、HIF-1等の低酸素に関連する遺伝子群の発現の減弱が認められた。。以上より酸素化の程度の違いによる腫瘍増殖速度と遺伝子発現状況の違いを明らかにすることができた。
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