本課題ではFGF12細胞内移行の放射線小腸障害に対する役割を検討した。FGF12を照射24時間前もしくは24時間後にBALB/cマウスに投与すると、放射線障害からの小腸の再生が促進された。そして、FGF12Bの放射線防護機能に関する2か所のドメインを明らかにした。このドメインはそれぞれ膜透過ペプチドドメインCPP-MとCPP-Cを含んでいたが、CPP-C単独では放射線防護効果を発揮できなかった。さらに、FGF12の細胞内移行は、p38α活性化を抑制し、放射線誘導性アポトーシスを減少させた。以上、FGF12がFGFR非依存性に細胞内移行により小腸放射線防護効果を発揮する機構を明らかにした。
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