研究課題/領域番号 |
24591864
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森 健作 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80361343)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | aortic aneurysm / endoleak / unenhanced MR imaging / stentgraft |
研究実績の概要 |
大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術後の経過観察には広く造影CTが行われている。経過観察の最大の目的は瘤内への血流の残存(エンドリーク)の検出である。しかし、高齢で腎機能が低下した患者が多いため、造影剤を使用できない症例にしばしば遭遇する。本研究の目的は造影剤を使わない非造影MRIでエンドリークを検出する手法を開発することである。 平成24年度にはファントム実験を行い、motion-sensitized driven equilibrium法(MSDE)をbalanced turbo field法(BTFE)に組み合わせた手法でエンドリークを描出可能なことを実証し、同年12月の北米放射線学会で発表し、同年11月のJournal of magnetic resonance imaging誌に発表した。また、平成25年度の日本IVR学会で発表も発表した。 平成24年9月よりステントグラフト内挿術後の患者を対象とする臨床研究を開始し、平成26年8月までの2年間に46例の症例の蓄積ができた。解析の結果、造影CTをreference standardとした場合、エンドリークの感度、特異度は第1読影者で91%、86%、第2読影者で 91%、89%といずれも高値であり、読影者間の一致度もカッパ値0.849と高かった。本研究成果を平成26年12月の北米放射線学会で発表し、現在英文誌に投稿すべく論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りファントム実験にてmotion-sensitized driven equilibrium法(MSDE)をbalanced turbo field法(BTFE)に組み合わせた非造影MRIによるエンドリークの検出法を開発し、その後の臨床研究でその臨床的実用性について実証できた。2度の北米放射線学会での発表、ファントム実験の英文誌への掲載も達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、臨床研究の研究成果を英文誌に投稿すべく論文を執筆中であり、本年度内に論文の受理が得られるよう尽力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床研究の研究成果を平成26年12月の北米放射線学会で発表後、年度内に論文を執筆しようと尽力したが、定量的解析を追加する必要があるなどし、年度内に完成することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
論文作成のための物品費、英文校正費、情報収集のための旅費等として使用する。
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