大規模臨床試験により、HER2強陽性の進行再発胃癌に対して、通常の化学療法にトラスツズマブを加えることで有意な生存期間の延長を認めたものの、その奏功率は50%にも満たず、半分以上の患者さんはHER2強陽性ながら、トラスツズマブの効果が得られない、という結果であった。今回の研究では、トラスツズマブ耐性を予測するバイオマーカーの探索を目的とした。結論として、PTEN欠失はHER2強発現の胃食道腺癌患者で多い傾向にあった。PTEN欠失は、HER2強発現の胃食道腺癌患者でトラスツズマブに対する感受性が低い患者さんを選択するバイオマーカーになり得ると考えられた。
|