胆道癌に対する集学的治療は抗癌剤が中心であるが、その奏効率は低い。この理由として癌幹細胞の関与を仮説とし、研究を行なった。癌幹細胞マーカーCD133に着目し、胆道癌での発現を検討すると、高悪性度の胆管癌では、約20%の癌細胞に発現を認めるのに対し、低悪性度の胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)では全く発現が見られなかった。また、抗癌剤投与後に癌が縮小し、手術可能となった症例を検討すると、遺残癌細胞では約80%にCD133の発現を認めた。これらは、CD133発現が胆道癌の悪性度や抗癌剤耐性に重要であることを示した。また、CD133発現陽性、CD133発現陰性の胆道癌細胞株の樹立に成功した。
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