研究課題
脳主幹動脈慢性閉塞狭窄性病変を持つ症例に対して、ガスPETによる脳酸素抽出率画像、3テスラMRIによる脳温度画像、3テスラMRSによる還元ヘモグロビン濃度画像、脳SPECTによるベンゾジアゼピン/脳血流画像、アセタゾラミド負荷脳血流SPECTの全てを、頸部頸動脈狭窄症例40例、頸部頸動脈狭窄症例以外の脳主幹動脈狭窄症例30例に行った。これらから得られたデータから病側大脳半球の脳酸素抽出率と脳温度画像、還元ヘモグロビン濃度、ベンゾジアゼピンレセプター/脳血流日との相関を解析、貧困還流を表す脳酸素抽出率の上昇の検出精度を算出している。この3つの方法論による貧困灌流測定精度とアセタゾラミド負荷脳血流SPECTと安静時脳血流SPECTから求められる脳循環予備能による貧困灌流診断精度とを比較している。最後に前述の3つの方法論の値と、頸部内頚動脈狭窄症に対する頸部内頚動脈血栓内膜摘出術周術期合併症の発生の有無とを比較し、その予測精度とを比較している(前述のものは平成26年度前半までデータ収集を行い、症例数を積み重ねてからデータ解析を行う予定である)。これまでに収集した検査データに基づいて解析を試行してみた所、ガスPETによる脳酸素抽出率を貧困灌流のゴールデンスタンダードとすると、他のいずれの検査法でもガスPETと有意な相関を認めており、新たな非侵襲的画像診断法が、貧困灌流検出予測に有用となるとみられる。
2: おおむね順調に進展している
当研究は3年計画であり、当初の症例予定数は対照正常者10例、頸部頸動脈狭窄症例100例、頸部頸動脈狭窄症例以外の脳主幹動脈閉塞症例100例である。現在の所、対照正常者10例(目標症例数の100%)、頸部頸動脈狭窄症例85例(目標症例数の85%)、頸部頸動脈狭窄症例以外の脳主幹動脈閉塞症例85例(目標症例数の85%)に目的の検査を施行済みである。研究年限は今年1年であるが、上半期に症例数を確保し、下半期にはデータ解析、及び学会・論文等で結果発表を行う予定である。
新規の脳主幹動脈慢性閉塞狭窄性病変を持つ症例に対して、ガスPETによる脳酸素抽出率画像、3テスラMRIによる脳温度画像、3テスラMRSによる還元ヘモグロビン濃度画像、脳SPECTによるベンゾジアゼピン/脳血流画像、アセタゾラミド負荷脳血流SPECTの全てを、頸部頸動脈狭窄症例15例、頸部頸動脈狭窄症例以外の脳主幹動脈狭窄症例15例に対して行う予定である。これまでに得られているデータに加えて、今後得られるデータから病側大脳半球の脳酸素抽出率と脳温度画像、還元ヘモグロビン濃度、ベンゾジアゼピンレセプター/脳血流日との相関を解析、貧困還流を表す脳酸素抽出率の上昇の検出精度を算出する予定である。この3つの方法論による貧困灌流測定精度とアセタゾラミド負荷脳血流SPECTと安静時脳血流SPECTから求められる脳循環予備能による貧困灌流診断精度とを比較している。最後に前述の3つの方法論の値と、頸部内頚動脈狭窄症に対する頸部内頚動脈血栓内膜摘出術周術期合併症の発生の有無とを比較し、その予測精度を算出する予定である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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