コンドロイチン硫酸(CS)は、関節軟骨中に含まれるグリコサミノグリカンである。本研究の目的は、変形性膝関節軟骨中のCSの構造、合成の変化を調査し、それらの変化の軟骨変性に対する影響を検討する事である。人工膝関節置換術を受けた末期変形性膝関節症24膝の大腿骨内側顆部、外側顆部加重部から軟骨を採取し、mRNA、グリコサミノグリカンを抽出しCS合成酵素遺伝子発現レベル、CS構造を解析した。結果として、変性が進行した軟骨では、CS含有量、分子量が低下し、更に、CS合成酵素遺伝子の発現が低下していた。本研究の結果は、関節軟骨内のCSの構造変化が、変形性関節症の進行に関与している事を示唆すると考えられる。
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