研究課題
平成24年度は【研究目的2】に対する研究を中心に行った。ODF2 isoformの解析のために、前年度に引き続き、ODF2-2α-EGFPトランスジェニック(Tg)マウスの解析を行った。高解像顕微鏡およびSIMを用いて、ODF2-2αの発現と局在を解析した。また、ODF2-4-mCherry Tgマウスの作製が遅れているために、in vitro解析系を開始した。前回は培養細胞での発現が安定せず解析が困難であったため、今回はFlp-In T-Rex systemを導入した。ODF2 isoformのC末にそれぞれEGFPとmCherryを付けた2種類のisoformをつなげてpcDNA5/FRT/TOに導入し、9種類のvectorを作製した。これらのvectorをトランスフェクション後、selectionをかけて安定発現株を作製中である。また、男性不妊ODF2-KOマウスの解析を進めている。ODF2+/-精子は、通常交配や通常の体外授精では授精できないが、透明帯除去卵を用いた体外授精を行うとわずかに授精することがわかった。ODF2+/-透明帯除去卵を使って体外授精を行い、2細胞卵を偽妊娠マウスに移植したが出産にはいたらなかった。ODF2+/-精子によって産仔を得ることができるか、さらにはODF2-/-マウスが生まれるかどうかを検証するために授精実験を続けている。
2: おおむね順調に進展している
平成25年度の研究実施計画の【1-1】に対しては、24年度に引き続きMN13の同定を進めている。【1-2】に対しては、Eqtn-EGFP Tg精子の解析結果を第69回日本顕微鏡学会で発表し、優秀ポスター賞を受賞した。【2-1】に対しては、ODF2-2α-EGFP Tgマウスを解析して、ODF2-2α発現と局在を第119回日本解剖学会総会・全国学術集会で発表した。【2-2】に対しては、ODF2-4-mCherry Tgマウスを作製中であるが、まだ遺伝子導入が成功したマウスを得ていない。そのため、isoform解析を進めるために、2種類のisoformを導入したvectorを作製した。現在、安定発現培養細胞株を作製中である。また、男子不妊ODF2+/-精子の授精能と卵活性化能の解析を進めている。
概ね、平成26年度の研究実施計画に従って実験を推進する予定であるが、ODF2-4-mCherry Tgマウスの作製が遅れているために、培養細胞系による解析とODF2-KOマウスの解析を同時進行で行う。ODF2-2α-EGFP Tg精子を抗GFP抗体を用いて染色し免疫電顕法により、ODF2-2αの精子頸部および中心体との関係を電子顕微鏡レベルで解析する。
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