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2013 年度 実施状況報告書

哺乳動物精子の卵活性化能に対する新しい評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24592441
研究機関千葉大学

研究代表者

伊藤 千鶴  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80347054)

研究分担者 年森 清隆  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20094097)
キーワード精子 / 卵活性化能 / 核周囲物質 / 中心体関連タンパク質 / MN13 / ODF2 / equatorin
研究概要

平成24年度は【研究目的2】に対する研究を中心に行った。ODF2 isoformの解析のために、前年度に引き続き、ODF2-2α-EGFPトランスジェニック(Tg)マウスの解析を行った。高解像顕微鏡およびSIMを用いて、ODF2-2αの発現と局在を解析した。また、ODF2-4-mCherry Tgマウスの作製が遅れているために、in vitro解析系を開始した。前回は培養細胞での発現が安定せず解析が困難であったため、今回はFlp-In T-Rex systemを導入した。ODF2 isoformのC末にそれぞれEGFPとmCherryを付けた2種類のisoformをつなげてpcDNA5/FRT/TOに導入し、9種類のvectorを作製した。これらのvectorをトランスフェクション後、selectionをかけて安定発現株を作製中である。また、男性不妊ODF2-KOマウスの解析を進めている。ODF2+/-精子は、通常交配や通常の体外授精では授精できないが、透明帯除去卵を用いた体外授精を行うとわずかに授精することがわかった。ODF2+/-透明帯除去卵を使って体外授精を行い、2細胞卵を偽妊娠マウスに移植したが出産にはいたらなかった。ODF2+/-精子によって産仔を得ることができるか、さらにはODF2-/-マウスが生まれるかどうかを検証するために授精実験を続けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度の研究実施計画の【1-1】に対しては、24年度に引き続きMN13の同定を進めている。【1-2】に対しては、Eqtn-EGFP Tg精子の解析結果を第69回日本顕微鏡学会で発表し、優秀ポスター賞を受賞した。【2-1】に対しては、ODF2-2α-EGFP Tgマウスを解析して、ODF2-2α発現と局在を第119回日本解剖学会総会・全国学術集会で発表した。【2-2】に対しては、ODF2-4-mCherry Tgマウスを作製中であるが、まだ遺伝子導入が成功したマウスを得ていない。そのため、isoform解析を進めるために、2種類のisoformを導入したvectorを作製した。現在、安定発現培養細胞株を作製中である。また、男子不妊ODF2+/-精子の授精能と卵活性化能の解析を進めている。

今後の研究の推進方策

概ね、平成26年度の研究実施計画に従って実験を推進する予定であるが、ODF2-4-mCherry Tgマウスの作製が遅れているために、培養細胞系による解析とODF2-KOマウスの解析を同時進行で行う。ODF2-2α-EGFP Tg精子を抗GFP抗体を用いて染色し免疫電顕法により、ODF2-2αの精子頸部および中心体との関係を電子顕微鏡レベルで解析する。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A heterozygous mutation of GALNTL5 affects male infertility with impairment of sperm motility.2014

    • 著者名/発表者名
      Takasaki N, Tachibana K, Ogasawara S, Matsuzaki H, Hagiuda J, Ishikawa H, Mochida K, Inoue K, Ogonuki N, Ogura A, Noce T, Ito C, Toshimori K, Narimatsu H.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA.

      巻: 111(3) ページ: 1120-1125

    • DOI

      10.1073/pnas.1310777111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Oligo-astheno-teratozoospermia in mice lacking ORP4, a sterol-binding protein in the OSBP-related family.2014

    • 著者名/発表者名
      Udagawa O, Ito C, Ogonuki N, Sato H, Lee S, Tripvanuntakul P, Ichi I, Uchida Y, Nishimura T, Murakami M, Ogura A, Inoue T, Toshimori K, Araki H.
    • 雑誌名

      Genes Cells.

      巻: 19(1) ページ: 13-27

    • DOI

      10.1111/gtc.12105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Arf GAP SMAP2 is necessary for organized vesicle budding from the trans-Golgi network and subsequent acrosome formation in spermiogenesis.2013

    • 著者名/発表者名
      Funaki T, Kon S, Tanabe K, Natsume W, Sato S, Shimizu T, Yoshida N, Wong WF, Ogura A, Ogawa T, Inoue K, Ogonuki N, Miki H, Mochida K, Endoh K, Yomogida K, Fukumoto M, Horai R, Iwakura Y, Ito C, Toshimori K, Watanabe T, Satake M.
    • 雑誌名

      Mol Biol Cell.

      巻: 24(17) ページ: 2633-2644

    • DOI

      10.1091/mbc.E13-05-0234

    • 査読あり
  • [学会発表] トランスジェニックマウスを用いた精子ODF2 の解析2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤千鶴
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学キャンバス 栃木県
    • 年月日
      20140327-20140327
  • [学会発表] 精子先体赤道部糖タンパク質 equatorin の糖鎖修飾変化に関わる酵素の探索2014

    • 著者名/発表者名
      大和屋健二
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学キャンバス 栃木県
    • 年月日
      20140327-20140327
  • [学会発表] マウス精子における膜タンパク質ベイシジン分子の特性2014

    • 著者名/発表者名
      前川眞見子
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学キャンバス 栃木県
    • 年月日
      20140327-20140327
  • [学会発表] モノクローナル抗体MC101が認識する精子タンパク質の解析2014

    • 著者名/発表者名
      陳城
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学キャンバス 栃木県
    • 年月日
      20140327-20140327
  • [学会発表] Equatorinノックアウト雄マウスの受精現象2014

    • 著者名/発表者名
      年森清隆
    • 学会等名
      新学術領域研究 動植物に共通するアロ認証機構の解明 第8回領域会議
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス 野依記念学術交流会館 愛知県
    • 年月日
      20140110-20140110
    • 招待講演
  • [学会発表] 精子先体赤道部糖タンパク質 equatorin の分子量低下に関わる酵素の探索2014

    • 著者名/発表者名
      大和屋健二
    • 学会等名
      新学術領域研究 動植物に共通するアロ認証機構の解明 第8回領域会議
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス野依記念学術交流会館 愛知県
    • 年月日
      20140109-20140109
  • [学会発表] 精子の核DNA断片化と頭部空胞を指標にした精子の質の評価2013

    • 著者名/発表者名
      年森清隆
    • 学会等名
      第58回日本生殖医学会 学術講演会・総会
    • 発表場所
      神戸国際会議場 兵庫県
    • 年月日
      20131115-20131116
  • [学会発表] 精子先体赤道部タンパク質Equatorinの先体反応に伴う翻訳後修飾変化2013

    • 著者名/発表者名
      大和屋健二
    • 学会等名
      第58回日本生殖医学会 学術講演会・総会
    • 発表場所
      神戸国際会議場 兵庫県
    • 年月日
      20131115-20131116
  • [学会発表] 抗equatorin抗体を用いた精子の質の評価法の検討2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤千鶴
    • 学会等名
      第58回日本生殖医学会 学術講演会・総会
    • 発表場所
      神戸国際会議場 兵庫県
    • 年月日
      20131115-20131115
  • [学会発表] マウス精巣および精子における basigin およびその結合分子の解析2013

    • 著者名/発表者名
      前川眞見子
    • 学会等名
      日本アンドロロジー学会第32回学術大会ならびに総会 および第19回精子形成・精巣毒性研究会共同開催学会
    • 発表場所
      グランキューブ大阪 大阪府
    • 年月日
      20130726-20130726
  • [学会発表] 精子の老化について2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤千鶴
    • 学会等名
      第13回日本抗加齢医学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜 神奈川県
    • 年月日
      20130628-20130628
    • 招待講演
  • [学会発表] 高解像顕微鏡およびSTEDを用いた受精関連タンパク質Equatorinの解析2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤千鶴
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会第69回学術講演会
    • 発表場所
      ホテル阪急エキスポパーク 兵庫県
    • 年月日
      20130520-20130522
  • [図書] Equatorin-Related Subcellular and Molecular Events During Sperm Priming for Fertilization in Mice. (Chapter 7)2014

    • 著者名/発表者名
      Ito C, Yamatoya K, Toshimori K.
    • 総ページ数
      480
    • 出版者
      Springer
  • [図書] 動植物の受精学2014

    • 著者名/発表者名
      宮戸健二、井上直和、伊藤昌彦、伊藤千鶴、年森清隆
    • 総ページ数
      未確定
    • 出版者
      化学同人
  • [備考] 生殖生物医学HP

    • URL

      http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/devbiol/

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公開日: 2015-05-28  

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