多嚢胞性卵巣症候群を内分泌的に解析し、診断精度の向上と病態に応じた治療法選択について検討した。血中テストステロン(T)は、特異性の高い測定法を用いると44.2%の患者で高Tを検出でき、診断に重要であることがわかった。性腺系ホルモンの測定系間の相違は、Tは相違が大きかったが、LH、FSH、PRL、E およびPでは測定系間の相関は高く、換算で対応できると思われる。また、生活習慣病リスクの観点からの病型分類には、BMI(肥満の有無)、free T、アンドロステンジオン、卵巣体積が有用であり、メトホルミンの効果が期待できる症例は、肥満またはインスリン抵抗性を有する症例であった。
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