子宮内膜癌細胞の周囲に存在し、癌の生存、増殖を支持しているとされる癌線維芽細胞をターゲットとした治療戦略を確立すべく基礎的研究を行った。臨床検体の検討で癌線維芽細胞において発現低下のみられる分泌型タンパクIGFBP6に着目した。 細胞株を用いた実験にて子宮内膜癌細胞は増殖因子IGF-2依存性増殖が確認された。IGFBP6はIGF-2の抑制因子であり、その添加によってIGF-2依存性増殖がキャンセルされることを証明した。これは癌線維芽細胞におけるIGFBP6発現低下が癌生存に有利な微小環境を作っており、その発現誘導が新たながん治療ターゲットとして有効である可能性を示す結果であると考えられた。
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