研究成果の概要 |
姿勢変化時の血圧調節機構を解明するため、1)頭部を下方(head-down tilt, HDT)或いは上方(head-up tilt, HUT)に体位変換し、次に2)頸部後屈と頸部前屈を行い、麻酔下での循環応答を調べた。その結果HDTと頸部前屈で交感神経活動の抑制を生じ、血圧が低下した。一方HUTと頸部前屈で血圧が上昇した。この反応は圧受容器反射より早く生じた。両側内耳前庭障害例ではこれらの血圧変化は小さくなった。覚醒状態では、いずれの姿勢変化でも血圧が上昇した、前庭障害後1週以降で血圧上昇反応は小さくなった。以上より前庭と頸部固有受容器は姿勢変化時の神経性血圧調節に関与すると思われる。
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