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2012 年度 実施状況報告書

先天性サイトメガロウイルス感染による聴覚障害の治療長期予後に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24592555
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福島県立医科大学

研究代表者

松井 隆道  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (40404876)

研究分担者 錫谷 達夫  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
佐藤 真紀  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50423794)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードサイトメガロウイルス感染
研究概要

1)対象となる聴覚障害児の診断、検査:新生児聴覚スクリーニングで要精検となった症例は、聴性行動反応検査と条件詮索反射聴力検査にて聴力閾値を測定し、他覚的聴力検査である聴性脳幹反応検査と聴性定常状態誘発反応検査にて周波数ごとの聴力閾値を測定した。難聴が確定した症例はサイトメガロウイルス感染の有無について本研究の説明を行い同意が得て感想臍帯の提供を受け検査を施行した。
2)CMV感染の臨床検査:これまでに先天性サイトメガロウイルス感染が確定し聴力検査、言語発達検査を施行している症例は10例ある。うち高度感音難聴をきたした5例には人工内耳手術が施行された。人工内耳植込術によって5例すべてにおいて聴覚によるコミュニケーションの改善が見られた。難聴の原因検索では平成24年度は人工内耳植込術の症例は3例についてリンパ液のウイルス検査を施行した。また乾燥臍帯のウイルス検査も4例に施行し結果を解析中である。
3)CMVと聴覚障害の重症度の関連の解析:人工内耳植込術5例すべてにおいて聴覚によるコミュニケーションの改善が見られIT-MAIS、MUSS、S-S法による聴覚言語発達は重複障害により影響があるもののいずれの症例も術後の聴覚言語発達が認められている。先天性サイトメガロウイルス感染症例の聴力閾値の評価をおこなっている5例中2例は難聴を認めておりうち1例は当院倫理委員会の承認のうえバルガンシクロビルの治療を行われ聴力の改善を認めている。治療後、聴力改善にともない尿中のウイルス量は減少を認めている。他の3例は難聴の出現は認めていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、聴力検査や発達検査で経過を追跡している症例に加えて、新たに先天性難聴や進行性難聴の症例において説明のうえ同意を得た症例に対して保存臍帯や人工内耳手術におけるリンパ液を用いたサイトメガロウイルスDNA検査を施行できていること。
今後も引き続き当施設や療育機関において定期的な聴覚発達検査を予定されており進行性難聴の出現の有無や現在難聴をきたしている症例では閾値上昇の有無について確認を進める予定である。
本研究は長期間の聴力や発達の推移を追跡することが必要である。

今後の研究の推進方策

平成24年度と同様に臍帯の検査をすすめ、症例を集積し解析を行う。聴覚障害・発達の経過をみるためには複数年が必要である。CMV関連難聴群における臨床的特徴(出生時体重、聴力経過、精神運動発達遅滞の程度、中耳、内耳における形態学変化の有無、人工内耳埋め込み例ではその装用効果、バルガンシクロビル治療後のウイルスの再活性化など)を詳細に検討し、CMV関連難聴群における臨床的特徴と長期予後を明らかにする。
新生児聴覚スクリーニングにて発見され、難聴の診断が確定した症例、進行性難聴をきたした症例に対してサイトメガロウイルスDNA検査に関する説明を行い同意を得たのちに保存臍帯の提供を受け検査を施行する。人工内耳手術症例におけるリンパ液の検査もこれまで同様に進め聴覚障害の原因の精査を行う(松井、錫谷)。
先天性サイトメガロウイルス感染が確定している症例では定期的な聴覚発達に関する検査を行う(松井)。
サイトメガロウイルス感染の確定している症例で進行性難聴をきたし閾値上昇を認めた症例は血液検査、尿検査にてサイトメガロウイルス量の測定を行うとともに聴覚以外の発達検査も含めて精査を行う(松井、佐藤)

次年度の研究費の使用計画

消耗品(PCR試薬一式、リンパ液採取、保存臍帯用機器)500,000円
旅費(国際学会、国内学会)500,000円
人件費(データ解析補助) 100,000円
その他(論文投稿料)   300,041円

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公開日: 2014-07-24  

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