本研究では、穿刺吸引細胞診と同様の手技で得られた微量検体からの、遺伝学的アプローチによる診断手法を確立し、現状ではなかなか術前の正確な診断が困難な頭頸部腫瘍に対する分子生物学的補助診断を、従来の画像診断、病理組織診断と組み合わせることにより、正診率を向上させることを目的に、5種類の組織型(病理診断)の頭頸部腫瘍の計20例の腫瘍組織よりtotal RNAを抽出し、cDNAマイクロアレイ解析を行い、遺伝子発現パターンにより腫瘍を区別可能であることを明らかにした。また、穿刺細胞吸引により得られた極微量検体からRNAを抽出し遺伝子発現量を計測する手法を開発した。
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