ヒトパピローマウイルス(HPV)が頭頸部がん、特に咽頭がんの発癌に関与することが近年明らかとなり、従来の酒、たばこ関連の咽頭がんより予後が良好で、独自の治療法の確立が急務である。今回HPV陽性咽頭がんの発生率、予後を検討するとともに、手術時に摘出したがん細胞を用いて放射線、抗癌剤の感受性を調べ、HPV関連の有無で効果の違いがあるかどうか検討した。HPVと関連するp16タンパクの発現の有無で予後を比較したところ、p16タンパク陽性群で100%、陰性群で81.3%と陽性群で良好であった。今回の検討では手術適応群でのHPV陽性例が少数で、HPVの発現の有無での治療の効果の違いは明らかとならなかった。
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