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2012 年度 実施状況報告書

咀嚼能力とストレス

研究課題

研究課題/領域番号 24592919
研究種目

基盤研究(C)

研究機関徳島大学

研究代表者

西川 啓介  徳島大学, 大学病院, 講師 (10202235)

研究分担者 郡 元治  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50253216)
薩摩 登誉子  徳島大学, 大学病院, 助教 (80335801)
鈴木 善貴  徳島大学, 大学病院, 医員 (40581393)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードストレス / 咀嚼能力 / αアミラーゼ / クロモグラニンA / EMG
研究概要

本研究課題では「噛むこと」によるストレスに対する効果を調査する目的で,実験的なストレス負荷後の唾液ストレスマーカーの測定を行った.以下に本年度に行った研究の概要を示す.
顎機能に異常のない健常成人被験者8名を対象として選択した.各被験者には実験的ストレスとして約30分間単純な計算作業を繰り返す内田クレペリンテストを実施し,テスト終了直後と10分経過後に唾液の採取と分析を行った.唾液中のストレスマーカーはαアミラーゼ(Amy)とクロモグラニンA(CgA)を対象とし,Amyの分析は唾液アミラーゼモニター(NIPRO社製)を,CgAはELISA法を用いて行った.またテストによってもたらされた急性ストレスに対する咀嚼の効果を評価する目的で,テスト後に3分間無味無臭のガムを咀嚼した場合と,安静に努めた場合の,二つの条件でストレスマーカーの変化を比較した.さらにガム咀嚼時の咀嚼筋活動量を咬筋の表面EMGにより測定した.
解析の結果,テスト終了10分後のストレスマーカーの値は安静条件では上昇し,ガム咀嚼を行った条件では低下する傾向が認められた.また二つの条件でAmyの変化を比較すると活性値の変化量の差分と咀嚼時の筋活動量との間に弱い正の相関が認められた.この結果によって咀嚼によってストレスは軽減し得るが,その効果を得るためには強くしっかりと噛むことが必要であることが明らかとなった.
本研究の成果の一部は平成24年度(社)日本補綴歯科学会中国四国・九州支部合同学術大会において報告を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

少数例ではあるが実験的に負荷した急性ストレス反応に対して咀嚼することによる緩和効果を確かめることができた。しかしストレスを評価する指標として用いた唾液ストレスマーカーの計測値のバラツキが予想以上に大きかったため、統計的に咀嚼強さとストレス緩和効果の相関を明確にするために被験者数が充分ではなかった。

今後の研究の推進方策

1.本年度に行った実験プロトコールを踏襲し被験者数を追加し、本研究計画の第一段階として、咀嚼によるストレス緩和効果を明らかにする。ついで各被験者の咀嚼能力を咀嚼力判定用ガムや、咬頭嵌合位の咬合接触を分析することによって咀嚼能力を数値化する。これらの結果を踏まえて踏まえた上で、「噛みやすさ」や「良く噛めること」がストレス緩和にどのように影響するかを調査する。
2.健常者の測定に引き続いて、歯科治療による咬合機能の回復がストレスに与える影響について検討を行う。ついで欠損補綴の必要な患者群を対象として治療前後において同様の測定を行い、咀嚼能力の回復がストレスに及ぼす影響について調査を行う。また噛みしめ習癖やブラキシズムをともなう顎機能障害を持つ症例を対象とすることで、ストレスとパラファンクションの関係について検証を行う。

次年度の研究費の使用計画

唾液ストレスマーカーであるクロモグラニンAのELISA分析用の測定キットや、唾液アミラーゼモニター用測定チップ、ディスポーザブル電極などの実験用消耗品を購入する他、研究協力者への謝金と、研究打合せ並びに成果発表のための旅費として使用する。
次年度への繰越額はELISA分析に用いるピペットチップ等の消耗品に使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 急性ストレス反応に対するガム咀嚼の効果について2012

    • 著者名/発表者名
      西川啓介,他
    • 学会等名
      平成24年度(社)日本補綴歯科学会中国四国・九州支部合同学術大会
    • 発表場所
      広島市南区民文化センター ( 広島県 )
    • 年月日
      20120901-20120902

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公開日: 2014-07-24  

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