研究概要 |
平成25年度は、国内における口腔ケアの現状と課題を明らかにするための実態調査に向けて国内外の口腔ケアに関する文献検討を行い、質問紙の内容を検討した。 1)質問紙作成に向けての文献検討 医中誌Web(ver.5)を用い「口腔ケア」「看護」をキーワードに2008年以降の原著論文に限定して検索すると336件あり、口腔ケアに焦点があたっていない、看護師が対象ではないもの等を除くと29件となった。看護師による口腔ケアの研究で最も多かった着目点は、肺炎・感染防止(野澤,2013;門田ら,2011)で20件、次に口腔ケアの実態を把握(横塚ら,2012;堀河ら,2012;大辻,2011)が5件であった。また、CINAHLおよびMEDLINEを用いて「oral care or mouth care」と「nurse」をキーワードに2003年以降の文献に絞り、重複文献を除き、看護師が行う口腔ケアの実践に焦点を当てた文献は28件であった。看護師が行う口腔ケアを行う対象は、成人・高齢者に対するものが大半を占め、急性期的な変化を伴う患者を対象とする研究は12件でventilator associated pneumonia(VAP)や口腔の感染源の除去(Chanら,2012;Turkら,2012)に着目していた。口腔の廃用予防に着眼した口腔ケアはあまり積極的に行われていない可能性があり、質問紙の内容を修正する必要が生じた。 2)病院に勤務する臨床看護師に対する聞き取り調査 開口保持が困難などの理由から、スワブやジェルの使用した口腔ケアで十分だろうと考え、口腔機能に対する刺激やリハビリテーションを加味した口腔ケアに消極的であった。 口腔ケアの既存の実態調査では、看護師によって全介助で口腔ケアを受ける者に対する方法に特化して調査を行う必要があると考え、調査方法を修正・変更して実施することとした。
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