研究課題/領域番号 |
24593386
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
永見 桂子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (10218026)
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研究分担者 |
二村 良子 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30249354)
和智 志げみ 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (70410173)
崎山 貴代 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (40321278)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 看護学 / 助産師 / 実践能力 / 卒後教育 |
研究概要 |
本研究の目的は、先行研究「エスノメソドロジー的相互行為分析を用いた施設助産師のケアモデル作成に関する研究」〔平成18~20年度科学研究費補助金基盤研究(B)〕で明らかとなった施設助産師のケアモデルを構成する4つの概念「助産師と妊産婦の結合」「診断と処置の特徴」「組織構造」「社会的側面のケア」に含まれる要素をもとに、三重県内の医療施設で働く助産師を対象とした卒後教育プログラムを検討することにより、助産師が新人、中堅、エキスパートへと成長していく過程に応じ、継続的に実践能力獲得を支援する卒後研修体制構築への示唆を得ることである。 三重県内医療施設における助産師の卒後研修体制整備状況、各種研修等の活用状況の調査(以下調査A)ならびに三重県内医療施設(病院・診療所・助産所)で働く助産師の実践能力における課題、学習ニーズの調査(以下調査B)に備え、関連学会参加、文献検討により、助産ケア、助産師の実践能力、助産師の卒後教育等に関する国内外の研究動向を把握するとともに、三重県「助産師の養成確保に関する懇話会」での産婦人科医・小児科医・助産師等関連専門職者、助産師養成施設代表者、行政医療政策担当者等との懇談の機会を通じて、卒後教育プログラム提供のためのリソース確保を図った。調査Aでは周産期母子医療センターの看護管理者および行政担当者を対象とした半構造化面接に向け、卒後教育の現状と課題を焦点化するために、上記の4概念の要素を踏まえ、独自のインタビューガイドを作成した。調査Bでは同様に施設助産師を対象とした自記式質問紙を作成するとともに、既存の助産師用の教育ニードアセスメントツール、学習ニードアセスメントツールを活用することとし、開発者の使用許諾を得た。なお、所属施設の研究倫理審査を受審し承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関連学会への参加、文献検討を通して、助産ケア、助産師の実践能力、卒後教育プログラム等に関する国内外の研究動向を把握し、調査内容に反映することができた。 三重県内医療施設における助産師の卒後研修体制整備状況、各種研修等の活用状況の調査(以下調査A)は、平成24年度に調査・分析を予定していたが、今年度はインタビューガイド作成など、調査にあたっての準備段階に留まった。インタビュー調査を平成25年5月~6月に実施予定であり、平成25年12月までにデータ分析を行い達成を図る。三重県内医療施設で働く助産師の実践能力における課題、学習ニーズの調査(以下調査B)は、平成24~25年度に調査・分析を予定していた。今年度は独自の自記式質問紙を作成するとともに、既存のアセスメントツール2種類の使用許諾を得て、調査準備を整えることができた。質問紙調査(郵送法)を平成25年5月~6月に実施(5月3日発送、回収期限6月末日)、12月までにデータ分析予定のためおおむね順調に進展している。 平成25年度に計画している卒後教育プログラムの検討に向け、今年度の三重県「助産師の養成確保に関する懇話会」に参加することにより、三重県内医療施設の産婦人科医・小児科医・助産師等関連専門職者、助産師養成施設代表者、行政医療政策担当者等との懇談を通じ、卒後教育プログラム提供のためのリソース確保を図ることができ、当初の計画より早く進展することができた。 以上より、調査Bはおおむね順調に進展しており、卒後教育プログラムの検討については平成25年度計画を平成24年度のうちに進展できた内容もあるが、調査Aの進捗が当初計画より遅れているため「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
三重県内医療施設における助産師の卒後研修体制整備状況、各種研修等の活用状況の調査(以下調査A)は、インタビュー調査を平成25年5月~6月に実施し、平成25年12月までにデータ分析を行い、成果成果をまとめる。三重県内医療施設で働く助産師の実践能力における課題、学習ニーズの調査(以下調査B)は、自記式質問紙調査を平成25年5月~6月に実施し、平成25年12月までにデータ分析を行い、研究成果をまとめる。調査A・Bの研究成果を平成26年度に関連学会で発表する。 調査A・Bで得られた成果をもとに、上述した施設助産師のケアモデルの4つの構成概念に含まれる要素を踏まえ、卒後教育プログラムについて検討する。また、昨年度同様、「助産師の養成確保に関する懇話会」への参加により卒後教育プログラム提供のためのさらなるリソース確保を図る。 作成した卒後教育プログラムをもとに、新人助産師を対象とした研修会を実施し、提供した卒後教育プログラムに対する認識を明らかにする。研究参加者は研修会に参加し同意の得られた新人助産師10名程度とし、フォーカスグループインタビューを実施する。逐語録から卒後教育プログラムに関する記述部分を抽出し、質的記述的に分析する。 なお、文献検討を継続的に行い、成果を論文にまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額(B-A)14,810円は、研究分担者の直接経費実支出額の累計額が配分額に満たなかったため生じたものである。平成25年度分として請求した助成金と合わせ使用する。 「三重県内医療施設で働く助産師の実践能力における課題、学習ニーズの調査」にかかる消耗品費(事務用品、データ保存用メディア媒体等)、謝金等(研究補助報酬)、その他(通信費、複写費)、「卒後教育プログラムの検討」にかかる消耗品費(事務用品)、国内旅費(研究打合せ、学会参加)、その他(通信費、会議費、複写費)、「卒後教育プログラムの提供と新人助産師の認識の明確化」にかかる消耗品費(視聴覚教材、助産学・看護教育書籍、演習用消耗品、データ保存用メディア媒体、事務用品)、国内旅費(研究打合せ、調査、研修会講師旅費)、謝金等(研修会講師謝金、研究補助報酬、調査協力謝礼)、その他(通信費、会議費、複写費)として使用する。
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