様々な服薬ミスの一原因として、日本人は白い医薬品を好むため日本の医薬品は白または白に近似した色に着色されているという事実にある。しかし、日本人が白または白に近似した医薬品しか服用できないのか、もしそうでないなら、どのような色彩の医薬品まで服用できるのか十分に検証されていない。本研究では、この未検証の疑問を解きほぐし、医療過誤防止と服薬アドヒアランス向上に資する医薬品カラーデザイン戦略の確立に取り組んだ。その結果、医薬品の色彩としての許容範囲は、橙系と青系に比べて、黄系、黄緑系、桃系に対して狭いこと、並びに、これら5色彩系において医薬品として服用できない限界明度と彩度を決定することができた。
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