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2012 年度 実施状況報告書

ガストロノミーを基本概念とするフード・ツーリズム開発の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24611027
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪観光大学

研究代表者

尾家 建生  大阪観光大学, 観光学部, 教授 (30441124)

研究分担者 村上 喜郁  追手門学院大学, 経営学部, 講師 (60548353)
玉置 桃子  関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70564516)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードフード・ツーリズム / ガストロノミー / 地産地消 / 農村レストラン / エノガストロノミー / スローフード / B級ご当地グルメ / 食と観光
研究概要

初年度は主にガストロノミーの理論的研究とフード・ツーリズムの現地調査対象地である山形県庄内地域、イタリアのピエモント州、及びB級ご当地グルメ関係地域への視察及びフードツーリズム事例地域への視察を主力に行った。ガストロノミーという概念についてはブリア・サヴァランの著書(1825)や観光学者による近年の文献により研究を進めるとともに、イタリアにおける1931年から現在までの観光ガイドブックを食文化と観光の視点から分析を行った。イタリアのガイドブックによる研究の発表は次年度に持ち越したものの、文献研究により古代ギリシャから近代フランスに至るガストロノミーの形成と社会的背景についての解明を進め、成果を出すことができた。又ブリア・サヴァランが体系化しようとしたガストロノミーの現代的意義が食と観光の関係を研究する上で重要な社会的概念であることを見出した。
現地調査については庄内地域の総合支庁、観光コンベンション協会、鶴岡市、主要レストラン、農家民宿、湯田川温泉、山形大学農学部等への視察訪問により関係機関への現状把握が行えた。イタリアへの視察は世界の食文化へ大きな影響をもたらしているスローフード運動の視察をトリノとブラの関係者へ行った。ピエモント州のワイナリー及びレストランへの視察結果と合わせて今後のエノガストロノミー研究への基本データを入手することができた。又B級ご当地グルメについては津ぎょうざの視察とB1グランプリ小倉大会への視察によりガストロノミーの都市型と地方型の理論的構築を試みた。その他国内での事例視察によりフード・ツーリズム開発に対するマネジメントの基本的な問題点を把握した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(理由)予定の視察の実施状況と理論研究での成果から、初年度においてほぼ予定通りの目的達成が行われた。特に、ガストロノミーの社会と食文化における現代的意義を古代ギリシャにさかのぼって、フランス革命後の近代レストランの発達、フランスにおける車社会と郷土料理の発見などの歴史的変遷をカバーすることによって、基本概念としてのガストロノミーを理解することができ、次年度へのステップアップが順調に進んでいる。B級ご当地グルメの視察先が予定の箇所数に至ってないが、これはB級ご当地グルメの祭典を視察することにより、総合的にB級ご当地グルメを体験できた。

今後の研究の推進方策

世界的な観光産業のシンクタンクであるUNWTOとOECDツーリズム部会はいずれも2012年にフード・ツーリズムをテーマとしたレポートを出版し、観光における食の役割が極めて重要になっていることを示唆した。本研究においてはそのような急成長する観光分野の現象を貪欲に吸収し、進めていきたい。そのために、当初予定した大阪府立大学観光産業戦略研究所とフードツーリズム研究会との連携を強化しつつ、グローバルな視野での研究を推進方策とする。

次年度の研究費の使用計画

1.庄内地域の飲食サービス業者への観光客調査を実施し、その調査結果を分析してまとめる。(尾家:35万円)
2.イタリア・ピエモント州におけるエノガストロノミー・ツーリズムの実態調査を実施し、その調査結果を分析してまとめる。(玉置:60万円)
3.三重県亀山みそ焼うどんの運営組織を調査し、マネジメントの分析を行う。その他の関係地域への視察。(村上:20万円)
4.文献ファイルの購入、近隣の事例研究交通費等(三人:10万円)

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ガストロノミーの現代的意義2013

    • 著者名/発表者名
      尾家建生
    • 雑誌名

      大阪観光大学紀要

      巻: 第13号 ページ: 189-192

  • [雑誌論文] フード・ツーリズムの観光ポテンシャル-関西における調査と考察2012

    • 著者名/発表者名
      尾家建生
    • 雑誌名

      日本観光研究学会全国大会論文集

      巻: No.27 ページ: 193-196

  • [雑誌論文] 観光におけるガストロノミーに関する一考察-イタリアのエノガストロノミーを事例に2012

    • 著者名/発表者名
      玉置桃子
    • 雑誌名

      日本観光研究学会全国大会論文集

      巻: No.27 ページ: 61-64

  • [雑誌論文] フードツーリズムにおける差別化要因としてのガストロノミー-都市型と地方型を軸に2012

    • 著者名/発表者名
      村上喜郁
    • 雑誌名

      日本観光研究学会全国大会論文集

      巻: No.27 ページ: 193-196

  • [学会発表] フード・ツーリズムの観光ポテンシャル-関西における調査と考察

    • 著者名/発表者名
      尾家建生
    • 学会等名
      日本観光研究学会全国大会
    • 発表場所
      宮城大学
  • [学会発表] 観光におけるガストロノミーに関する一考察-イタリアのエノガストロノミーを事例に

    • 著者名/発表者名
      玉置桃子
    • 学会等名
      日本観光研究学会全国大会
    • 発表場所
      宮城大学
  • [学会発表] フードツーリズムにおける差別化要因としてのガストロノミー-都市型と地方型を軸に

    • 著者名/発表者名
      村上喜郁
    • 学会等名
      日本観光研究学会全国大会
    • 発表場所
      宮城大学

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公開日: 2014-07-24  

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