塩素ガスやホスゲン等の塩素系ガスは化学工業分野で広く使用され、化学兵器としてテロに用いられる可能性もあが、これらの曝露証明法は確立されていない。本研究では、生体内高分子との結合物の検出により、曝露を証明することを目的とした。 モデルタンパク質に塩素曝露の間接的方法として次亜塩素酸ナトリウムを添加し、処理/未処理資料のプロテアーゼ消化後の全断片をLC-MS/MS分析し、処理によって有意にピーク面積が減少した断片を抽出した。これらの断片に塩素が付加した質量をターゲットとしてLC-MS/MS分析を実施し、塩素結合断片の探索を実施したが、塩素付加と考えられるピークの同定には至らなかった。
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