本研究は、クロモドメインを持つクロマチン結合タンパク質MRG15の神経幹/前駆細胞における役割を解明することを目的とした。神経幹/前駆細胞特異的MRG15欠損マウスは、正常に生まれてきたが、成長にともなう体重の増加がコントロール群に比べ、著しく抑制されていた。神経幹/前駆細胞特異的MRG15欠損マウスから分離された神経幹/前駆細胞は、その数が少ないだけでなく、増殖も抑制されていた。MRG15を介した遺伝子発現制御やスプライシング機構が、神経幹/前駆細胞の維持および機能に重要な役割を担っていることが明らかとなった。
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