研究課題/領域番号 |
24616010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
鈴木 啓子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (60224573)
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研究分担者 |
永田 美和子 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (50369344)
伊礼 優 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (90336983)
平上 久美子 名桜大学, 健康科学部, 助教 (00550352)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 暴力 / 攻撃的言動 / 被害の連鎖 / 危機予防 |
研究概要 |
本研究は医療機関における攻撃や暴力被害の連鎖の実態および、その連鎖を断ち切る臨床知を明らかにすることにより、組織的視点から攻撃・暴力の発生予防や危機介入への示唆を得ることを目的とする。平成24年度は国内外の文献資料を検討し、攻撃や暴力被害の連鎖およびおよびその解決に関する文献資料の検討を行った。また合わせて、研究協力の得られた医療機関(岡山県5施設(法人立病院4、公立病院1)、静岡県1施設、沖縄県1施設)に出向き、看護部長、看護師長、副師長、主任、スタッフ、専門看護師の合計22名を対象に臨床で起きている暴力や攻撃に関する具体的な事例について、面接調査を実施した。ここでいう暴力、攻撃とは医療従事者自身の尊厳が脅かされる環境の中で、医療従事者自身が攻撃や暴力に遭った事例や、逆に医療従事者の怒りや攻撃性のコントロールができなくなったときに、医療従事者が言語的暴力や身体的暴力、ハラスメントを意図せずに行ってしまった事例を含む。今後逐語録の分析をもとに、暴力や攻撃の背景にある影響要因や対処について検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、異なる地域である岡山県、静岡県、沖縄県と3施設における面接調査を実施することができた。特に岡山県では5施設22名の看護管理者、スタッフ、専門看護師の協力が得られた。また、研究者自身は初対面の方がほとんどであったが、対象者が率直に語ってくれ、豊富なデータを得ることができた。また、面接調査の中で、自分自身の外傷的体験として語られる方もおり、研究協力ではあるものの語ることを通して、対象者となったスタッフの外傷的な経験が癒されていくことも確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き国内外の文献資料を検討し、攻撃や暴力被害の連鎖およびその解決に関する関連文献資料の検討を行う。また前年度に特定された医療機関における攻撃や暴力被害の事例に焦点を当て、この事例に関与する患者および家族に関係する第三者で協力が得られた者を対象として、面接調査を実施し、攻撃や暴力の発生状況や経緯、その後の影響を明らかにする。この事例に関与する事務職員、その他職員、管理者への面接調査を実施することにより、暴力被害の組織としての取り扱い、およびその後の組織への影響を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費(フィールドワークおよび面接調査の実施、海外学会発表)800,000円 謝金(フィールドワークおよび研究調査協力)15,000円 その他(テープお越し等)250,000円 図書・文献資料代金150,000円 消耗品 185,000円
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