2012年5月に三陸海岸における巻貝類の分布状況を調査した。いくつかの場所では主要な生息地が失われたりしていたが、いずれも近隣に少数の個体が生存している事を確認した。三陸北部における直達発生種ホソウミニナの新規加入は春と秋にピークを持つ事が示された。本種を対象にコアレセント理論に基づく系統地理解析をおこない過去の集団サイズの変動を推定した。ミトコンドリアDNAのCOI遺伝子および核DNAのITS1領域の塩基配列に基づく解析では最終氷期中の集団サイズの減少とその後の回複が検出された。28種類のマイクロサテライトデータに基づく解析では、東日本大震災およびチリ津波による集団サイズの減少が検出された。
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