小胞体関連蛋白質分解系(ERAD)によって分解される蛋白質(基質)のレベルはプロテアソーム阻害剤の処理によって増加するが、そのレベルはカドミウムの処理時でも増加した。カドミウムによるERAD基質量の増加はプロテアソーム阻害剤の存在下ではほとんど認められなかった。ERAD関連因子の発現を抑制したところ、ERAD基質量は増加し、それに伴ってBiPおよびCHOPのレベルも上昇した。また、カドミウム以外の小胞体ストレス誘導剤で細胞を処理してもERAD基質量はほとんど変動しなかった。これらのことは、カドミウムがERAD基質を細胞内に蓄積させることによって小胞体ストレスを誘導していることが明らかになった。
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