本研究は、中国古典の文章をクラスター分析を用いて調査し、その文章(文体)の性格の相違を明らかにすることを目的とする。 今回は『漢書』『後漢書』の両書を対象として、特に漢文特有の助字に注目し、その使用の相関関係を調べ、文章の近似性・相違性を検討した。具体的には、各々近い性格を持つ助字「於」「于」、そして文末の助字の「焉」「矣」の4文字について分析を行った。 結論として、今回は「焉」「矣」の2文字の相関を分析した際、両書はおおむね区別できることが分かった。よってクラスター分析は文章の区分をする上で、有効な手段となり得ることが示唆された。
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