本研究で扱う納豆様の無塩発酵大豆食品(ナットウと記す)の起源や伝播経路に関しては、これまで数多くの議論が交わされてきたが、未だに明らかになっていない。そこで本研究では、これまでの議論を踏まえつつ、東南アジアとヒマラヤのナットウに焦点をあて、ナットウを製造する民族の食文化、製法、利用方法を調査した。 その結果、各地のナットウの共通点と差異から「ナットウの発展段階論」を提示した。さらに、ナットウの形状に着目して地域分類を行ない、それらを総合的に考察した上で東南アジア大陸部とヒマラヤの4 地域で独自にナットウが発祥したとする仮説を打ち出した。
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