私たちは、他者や自分の行動の生起理由について、心のあり方と行動との関係に関する個人的な信念や理論である「フォークサイコロジー」を用いて説明を行う。一方、社会心理学は、人の社会的行動を心の仕組みの点から説明する「科学」であるが、その仮説や概念のリソースとして、フォークサイコロジーを利用してきた。本研究は、このような状況に対して方法論的な観点から批判的検討を行い、社会心理学とフォークサイコロジーとの有益な関係のあり方について考察を深めたとともに、フォークサイコロジーを援用した仮説に基づく実証的研究を行い、その有効性を示した。
|