本研究では、学習動機づけを促す環境要因について、これまでわが国では十分に検討されていない教師の役割に注目し、目標理論に基づいた実証的に検討を行った。全国の小・中学校教員900名を対象にインターネットを介した調査が行われた。先行研究を踏まえ、教師の達成目標、教師の指導行動、教室の目標構造、バーンアウト、教師効力感の各尺度が作成・分析された。その結果、教室の熟達目標や関係目標は、児童・生徒に対する熟達志向的な指導やピア・ラーニングを導き、効力感にもプラスの影響をもたらしていることが示された。以上より、児童の動機づけを促進する教室環境のプログラム構築のための基礎的検討のための有益な示唆が得られた。
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