本研究の目的は、少年と高齢者の万引き被疑者を対象とした質問紙調査、さらには一般の少年と高齢者を対象とした質問紙調査をもとに、少年と高齢者の万引きの規定要因について検討することにある。被疑者調査の対象は、愛媛県内において取り調べを受けた被疑者の少年(20歳未満)90名と被疑者の高齢者(65歳以上)108名である。一般調査の対象は、愛媛県内の中高生976名と愛媛県内の高齢者(65歳以上)437名である。 分析の結果、少年の万引きについては、学校との社会的絆や将来展望の喪失が、また、高齢者の万引きについては、厳しい経済状況や社会的孤立、生きがい感の喪失が影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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