教育実習生の数学の一斉授業文化の形成について,授業文化と数学的な問題解決の観点から探究するために,調査紙による調査とビデオ録画によるデータ収集を実施し,量的質的両面から分析を試みた。調査紙を用いた調査では数学的な問題解決に関する文化が学部3年次の教育実習の前後でどのように育成されるのかを調べた。量的分析により,3年次の教育実習前までに多くの学生が数学的な問題解決文化を学ぶことが明らかとなった。質的分析により,実習後も望ましい数学的な問題解決文化を学んだ学生は,子どもができる存在であるとしてみていることがわかった.また,実習中のビデオデータを分析するために授業のリアリティという概念を構成した.
|