研究課題/領域番号 |
24653274
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
松本 伸示 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (70165893)
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研究分担者 |
森 秀樹 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (00274027)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 非連続型テキスト / 論理的思考 / 総合的な学習 / 読解 / 子どものための哲学 / 教材開発 |
研究概要 |
平成24年度は,協力校(延岡市立東海東小学校,三田市立弥生小学校,浜松市立予進小学校,兵庫教育大学附属小・中学校)において,総合的な学習で取り扱われている非連続型テキストの実態調査と実際の子どもたちの読解の実態について参与観察並びに質問調査によって明らかにしてきた.また,附属中学校においては試行開発した教材を使って実践授業を行った。 特に,情報の取り出しとその分析・解釈において論理的な過程を通して読解が行われているのか,それに続く熟考・評価がどのような水準まで行われているのかを視点として分析した.また,この過程で論理的思考力がどのように育っているのかを論理的思考力評価票(これまでの附属中学校において実践してきた哲学授業で作成済み)を使って評価した.附属中学校における実践の結果は,同校が行っている校内発表会の場で生徒自身が発表した。 なお,研究協力者として東海東小学校・篠原光教氏,弥生小学校・岡 佳子氏,予進小学校・小川博士氏とは情報交換しながら子どもたちの読解の実態について明らかにした. 特に,宮崎県については,延岡市立東海東小学校を初め,研究組織作りを行った。この組織を中心に次年度以降の研究を進めていく。また,延岡市立東海東小学校で行ってきた非連続型テキストを用いた授業実践については,その成果の見直しを行い,その有効性を明らかにした. 平成24年度の研究成果の一部は,平成25年度の日本生活科・総合的学習教育学会において発表する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に計画していた非連続型テキストを用いた授業実践の実態調査とそこで用いられている教材については,調査を行うことができた。また,試行ではあるが非連続型テキストを用いた授業実践を附属中学校において行うことができた。その結果としての生徒の論理的思考力の育ちについても概ね明らかにすることができた。 これらのデータより次年度以降の教材開発に向けての枠組みを完成させることがほぼできた。 論理的思考力の育ちの実態については,日本教科教育学会において発表する予定であったが,分析が間に合わず,平成25年度の日本生活科・総合的学習教育学会において発表することになった。この分析が遅れたことで,「(2)おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,前年度に行った調査の分析結果に基づき,実態に即した論理的は思考力の向上に向けた教材開発と授業モデルの開発を行う. (1)現場の授業で実践可能な教材とするために前年度の調査から明らかとなった総合的な学習の時間で使用されている非連続型テキストを素材として,それらに論理学的ないくつかの要素:「うそ・ほんと」「あるいは・かつ」「ならば」「恒真」「対偶・逆・真」「ベン図」「ディレンマ」「必要・十分」「帰納・演繹」等を盛り込んだ教材を開発する. (2)この教材を実際に授業でも用いて実践するために「子どものための哲学」授業の討論過程における留意事項を適応する. 研究の分担としては,松本が前年度の「総合的な学習の時間」の実践から取り出した「非連続型テキスト」を素材として論理学を取り入れた教材の開発を担当し,森が「子どもたちのための哲学」授業を導入した授業モデルの開発を担当する.また適宜,研究協力者の東海東小学校・篠原光教氏並びに宮崎県の研究組織,弥生小学校・岡 佳子氏,予進小学校・小川博士氏と研究協議を行いながら教材および授業モデルの実践的側面を担保する.また,平成25年度までの研究成果を日本教科教育学会において発表する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
「該当なし」
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