研究課題/領域番号 |
24653274
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
松本 伸示 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (70165893)
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研究分担者 |
森 秀樹 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (00274027)
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キーワード | 非連続型テキスト / 論理的思考力 / 子どものための哲学 / 論理学 / ベン図 / 教材開発 / 授業モデル |
研究概要 |
本研究の目的は,非連続型テキストの読解とそれを支える論理的思考力の育成を図るために「論理学」と「子どものための哲学」の研究成果を取り入れた教材と授業実践モデルを提案することである。本研究は3つの部門から目的に迫っていく。第1は,総合的な学習における非連続型テキストの実態とそれらを子どもたちが如何に読解しているのかについて分析すること。第2は,論理的思考力の向上に向けて論理学を取り入れた非連続型テキストの教材を開発し,さらに「子どものための哲学」の方法論を導入した授業モデルを開発すること。第3は,開発した教材と授業モデルを実践し,授業実践例として提案することである。 平成25 年度は,前年度に行った調査の分析結果に基づき,第2の部門である実態に即した論理的な思考力の向上に向けた教材開発と授業モデルの開発を行った。 (1) 現場の授業で実践可能な教材とするために前年度の調査から明らかとなった総合的な学習の時間で使用されている非連続型テキストを素材として,それらに論理学的ないくつかの要素:「うそ・ほんと」「あるいは・かつ」「ならば」「恒真」「対偶・逆・真」「ベン図」「ディレンマ」「必要・十分」「帰納・演繹」等を盛り込んだ教材を開発した。 (2) この教材を実際に授業でも用いて実践するために「子どものための哲学」授業の討論過程における留意事項を抽出し適応した.教材の一部は兵庫教育大学附属中学校2,3年生を対象とする選択教科「哲学」のおいて実際に実践した。また,小学校での実践を目指して,宮崎県の東海東小学校・篠原光教教諭,学園木花台小学校・水谷浩文教諭等と授業モデルの開発協議を行った。また,静岡県の和田小学校・小川博士教諭と平成27年度における授業実践について研究協議を行った。 (3)平成24年度の一部の研究成果を生活科・総合的学習教育学会第22回全国大会において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は,中学校段階での教材開発と授業実践を行うことができた。ただ,中学校段階での研究を優先してたため,小学校段階での教材,及び授業モデルが試行案で留まっている。研究計画としては,小学校段階での教材開発と授業モデルにも目処が立ったので順調に進展しているが,平成26年度に向けて小学校段階でも授業を試行したかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は最終年度となるので,これまでのデータを整理するとともに小学校段階においても授業を実施し,授業モデルの有効性を検証していきた。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年度における小学校での授業実践に向けて,研究協議のために平成26年3月14日-15日に宮崎市へ出張した。 この出張経費が56,310円であった。支払い日が平成26年4月4日だったために,次年度使用額として計上されたものである。 この56,310円は実質的にはすでに使用されている。平成26年度は当初の計画通りに,研究を進めていく。
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