素粒子物理に残された問題の中の一つに、ニュートリノ質量が未だ直接測定されていないという問題がある。ニュートリノ振動で測定できるのは、複数ある質量固有値の2乗差のみ。本研究は、ニュートリノが特殊相対論に基づいて運動すると仮定し、ニュートリノの生成地点と検出地点間の飛行時間エネルギー依存性を測定することによってニュートリノ質量絶対値を探索する方法を探る。 まず始めのトライとしてT2K実験で295km飛行するニュートリノの飛行時間エネルギー依存性を測定し、μニュートリノの質量に上限を与えた。また、その上限値を更に小さくするために、ハードウエア精密較正や異なったビーム・検出器を使う方法について考察した。
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