質量分析法でのイオン化法の開発は非常に重要である。申請者は、アルカリ金属からの電子移動を用いた表面電離負イオン化法が、従来にないソフトなイオン源として利用できる可能性を見出した。本現象を利用したイオン源を開発し質量分析装置への取り付けを行い、負イオンの測定を行った。 高沸点化合物を用いた測定で、従来の化学イオン化法でのm/z 800以下でのイオンが観測に対して、今回開発した表面電離負イオン化法では、m/z 1000以上でも強い負イオンを観測し、解離がかなり抑えられていることが分かった。開発した負イオン化法は、解離が非常に起こりにくいソフトなイオン化法であることが明確となった。
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