フェニルターチオフェン骨格を有し、側鎖にデセニル基、ジシロキサン鎖、シクロテトラシロキサン環を有する化合物を合成した。これらの化合物は高温側で強誘電相であるキラルスメクティックC (SmC*)相を示した。嵩高い環状シロキサン部位を有する化合物も、SmC*相を示した。これらの化合物の自発分極は100 nC/cm2を超、SmC*相でのホール移動度は10^-4 cm2/Vsのオーダーで、あった。直流電圧印加後、電圧を0のして紫外光パルスを照射したところ、逆向きに光電流が発生した。光電流の極性は、照射前の電圧の極性により反転した。世界で初めて、強誘電性液晶中で異常光起電力効果を確認することに成功した。
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