本研究では、人工光合成のための特異な反応場の構築をめざし、金属錯体の二次元集積化に関する研究を推進した。集積化には、脂質二分子膜を用いた方法と、分子間π-π相互作用を用いた方法の2通りを用いた。脂質二分子膜を用いた方法としては、自己集合に最適な脂質の選択、また、最適な錯体-脂質の組合せを検討した。金属錯体には、目的とする触媒機能を有する錯体に脂質二分子膜と相互作用可能な官能基を導入し、構造体を作り出すことにより、触媒機能を評価した。一方、分子間π-π相互作用を用いた方法としては、触媒機能を有する金属錯体としてパドルホイール型二核錯体を用い、二次元分子配列の可能性を検討した。
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