主として離散時間の多項式システムや有理式システムを対象として,可換環や代数多様体の理論を応用した解析と制御の理論を構築した.特に,可到達性と安定性に関して,新しい十分条件を得た.また,有限評価区間の最適制御問題に対して,逆時間方向の逐次的な変数消去によって最適状態フィードバック制御の陰関数を導出する新しい解法を得た.さらに,非線形システムの正準形およびフィードバック制御の代数的構成方法についても成果を得た.特に,静的出力フィードバック制御によるモデルマッチング問題の解をすべて求める方法を見出した.これらの成果は,非線形制御理論の新しい発展可能性を切り拓くものである.
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