近年、道路交通や鉄道等の騒音防止のため、遮音壁が広く用いられている。交通量の激しい道路沿いでは、所望の騒音低減量確保のため、高い遮音壁が設置されることが多いが、景観や設置コスト等の面から望ましいものではない。このため、高さを抑えた多くの先端改良型遮音壁が提案されてきた。本研究では、従来の先端改良型とは異なり、エッジ効果を抑制するという新しい考え方をベースにした遮音壁を提案し、その遮音効果を理論的、実験的に確かめた。数値解析では、エッジ効果をインピーダンスが次第に減少する薄い吸音層によって抑制することで、回折音を大きく低減できることが示された。この研究成果は既に製品化され、広く使用されている。
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