赤血球サイズ(直径7~8μm)の均一な微粒子を作製する技術は希少であるが、予備段階としてインクジェット法で空気中にアルギン酸ナトリウム水溶液滴を打ち出し乾燥させる手法により、それを可能にした。しかし、この手法で作製される粒子はほぼすべて球形であり、赤血球の凹んだ形状とは異なる。内径が数μmの毛細血管を赤血球が通過することができるのは、赤血球の凹んだ形状に由来するとされており、次の段階として、赤血球様の形状をした人工微粒子の作製法にチャレンジした。コーヒーステイン現象に着目し、水溶液滴の吐出・着床条件、乾燥条件を工夫することによって、赤血球サイズの凹んだ柔らかい微粒子を作製できることを確認した。
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