脳活動のイメージングに使われることの多いNIRS(近赤外線分光法)だが、単チャンネル計測では筋活動に関する報告もなされつつある。ただ、そうした研究の大半は、筋の生理学的特性の解明を目的としており、運動計測の手段としてNIRSを評価した例は少ない。本研究では、ヒト被験者が運動タスクを行なう際の筋の血液酸素動態をCW型NIRSで記録し、同時計測した筋電図およびビデオ映像を用いて、運動計測の手段としてのNIRS計測の可能性について検討した。その結果、筋の代謝、負荷、疲労を評価する際には有効であることが判明したが、反応の遅さや筋による血管圧迫、運動による加速度の影響など、克服すべき点も明らかになった。
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