ブタ精液中の膠様物の諸特性を解析評価した。膠様物は、強酸性および強アルカリ性で溶解できたが、中性周辺では比較的安定していた。また、子宮内に多く存在する多核白血球の膠様物への走化性はなく、また、極めて高い保水性が認められた。粉末膠様物を精液と混和することで、精子カプセルを作成することが出来、そのカプセル中で一定時間精子が生存でき、また徐々に精子が放出されることを確認できた。化学的な解析により、膠様物はo-グリカンを多く含むことが明らかとなり、糖鎖解析とペプチド解析から特異的な糖鎖とタンパク質を含むことが明らかとなった。これらの知見は、医療分野を含む広い領域で有効活用できる可能性を含む。
|