非侵襲的な血中濃度モニタリングを実現するためには、わずかな侵襲で得られる微量試料を用いた高感度測定法が必要である。また血液試料を血漿と血球に分離しないスポット法などを利用する必要があり、非侵襲的血中濃度モニタリングによる測定値と従来の血漿中濃度との関係を評価するためには薬物の血球移行を正確に評価しておく必要がある。本研究により、抗HIV感染症治療薬ダルナビルの超高感度微量定量法を確立し、血中および血球細胞中ダルナビル濃度の測定が可能になった。血球中/血漿中ダルナビル濃度比には大きな個人差が認められ、何らかの薬物輸送担体の個人差の寄与を考慮する必要があることが明らかとなった。
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