病理解剖はヒトの病気の原因や病態を解明するために、最も重要な医学的解析方法のひとつである。一方、死後臓器組織の核酸は死後に劣化がすすむため、分子生物学的な解析に限界があることが予想される。しかし、死後臓器組織における核酸の劣化に関する詳細な検討は、これまでほとんど成されていなかった。 本研究においてヒトの死後臓器組織には、臓器組織の種類および死後の経過時間に関わらず-80℃に凍結保存されてさえいれば、高分子量のゲノムDNAは保たれていることが明らかとなった。さらに、それらのゲノムDNAは次世代シークエンス解析にも適用できる可能性が高いことが示された。
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