免疫調節因子であるIL-33の遺伝子領域にアルツハイマー病の罹患感受性と相関する遺伝子多型があること、アルツハイマー病患者の脳ではIL-33の発現が減少することが報告された。さらに、IL-33はAβの発現を減少させることが報告され、IL-33はアルツハイマー病の発症に対し抑制因子として作用することが示唆された。しかし、脳内IL-33の産生機序とIL-33の認知機能に対する生理的役割については全く不明である。本研究ではIL-33の認知機能に対する生理的役割についてIL-33欠損マウスを用いて検討した。その結果、IL-33とその細胞内シグナル伝達因子が学習・記憶形成に関与することが明らかになった。
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